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相続税の物納と不動産売却はどちらが有利?費用・注意点・選び方を比較

相続税の物納と不動産売却はどちらが有利?費用・注意点・選び方を比較

相続税の納税資金が足りずお悩みの方へ、物納が認められる条件や対象となる土地、申請期限、延納・不動産売却との違いを解説し、納税方法を検討するポイントを紹介します。

目次

相続税の物納が認められる4つの条件と判断基準

物納を検討できる人と注意が必要な人の違い

相続税の物納は、相続財産の多くが土地や建物で、納税に使える現金が不足している方にとって、検討する価値のある制度です。

ただし、現金が足りないという理由だけで、物納が認められるわけではありません。

相続税は金銭での一括納付が原則です。一括納付が困難な場合には延納を検討し、それでも金銭で納めることが難しい場合に物納が選択肢となります。

例えば、相続財産の大半が自宅や土地で、預貯金が少ない場合には、物納を検討する余地があります。一方、相続した土地を売りたくないという理由だけでは、物納の要件を満たしません。

判断の入口として、次の状況を整理すると分かりやすくなります。

  • 預貯金で納税できる場合: 原則として金銭での納付を検討します。
  • 一括納付は難しいが分割納付が可能な場合: 延納を検討します。
  • 延納でも金銭納付が困難な場合: 物納の要件を確認します。
  • 相続した不動産を売却できる場合: 売却による納税資金の確保も比較します。
  • 土地の権利関係が複雑な場合: 物納の適格性を専門家に確認する必要があります。

特に注意したいのは、相続人ごとに納税能力や取得財産が異なることです。家族全体では資産が多くても、実際に納税する相続人の状況によって判断が変わります。

物納の許可に必要な4つの要件

相続税の物納を利用するには、法律で定められた要件を満たし、税務署長の許可を受ける必要があります。

国税庁が示す主な要件は、次の4つです。

  1. 延納によっても金銭で納付することが困難であり、その困難な金額の範囲内であること。
  2. 物納できる財産が、法律で定められた種類・順位に該当すること。
  3. 管理や処分に適した財産であり、管理処分不適格財産に該当しないことなど。
  4. 申請期限までに物納申請書と必要な書類を提出すること。

この4つは、いずれも重要です。

例えば、納税資金が不足していても、物納しようとする土地が国による管理や処分に適していなければ、原則としてそのまま物納することはできません。

また、財産の条件を満たしていても、申請期限を過ぎれば通常の物納申請はできなくなります。

物納は、相続人が一方的に財産を差し出して納税を完了できる制度ではありません。税務署による審査を経て許可される仕組みです。

参考:国税庁「No.4214 相続税の物納」

物納できる金額と金銭納付困難額の考え方

物納できる金額は、相続税の全額とは限りません。原則として、延納によっても金銭で納付することが困難な金額が上限になります。

この金額を考える際には、相続人が保有する現金や預貯金、相続によって取得した金融資産、生活費、事業資金、将来の収入などを確認します。

例えば、相続税額が2,000万円で、納税に充てられる資金が500万円ある場合、残りの1,500万円を自動的に物納できるわけではありません。

残額について延納による納付が可能かどうかを検討し、それでも納付が困難と認められる部分が物納の対象になります。

この判断では、単に銀行口座の残高を見るだけでは不十分です。生活や事業を維持するために必要な資金も、所定の基準に沿って検討する必要があります。

一方、自由に処分できる金融資産がある場合などは、金銭納付が可能と判断されることもあります。

金銭納付困難額は、物納の可否を左右する重要な要素です。自己判断で金額を決めず、税理士と資料を確認しながら算定することが望ましいでしょう。

相続税を物納できる財産と土地・不動産の注意点

土地・建物・株式など対象財産の種類と優先順位

相続税の物納に使える財産には、法律上の制限があります。相続によって取得した財産であれば、何でも物納できるわけではありません。

対象となるのは、原則として日本国内に所在する相続税の課税価格の計算の基礎となった財産のうち、法令で定められたものです。

物納財産には優先順位が設けられています。

第1順位には、不動産、船舶、国債、地方債、一定の上場株式等が含まれます。また、不動産や一定の上場株式等については、所定の条件を満たす場合に特定登録美術品も対象となります。

第2順位には、第1順位に該当しない一定の非上場株式等が含まれます。

第3順位には、動産が位置付けられています。

ただし、実際の順位区分には、財産の種類や性質による細かな規定があります。また、管理や処分に支障がある「物納劣後財産」は、通常の財産より後順位で扱われます。

例えば、土地を相続していても、その土地の状態によっては、ほかの財産を優先する必要があります。

株式についても、上場株式か非上場株式かなどで扱いが異なります。

物納財産を選ぶ際は、単に評価額が相続税額に近いものを選ぶのではなく、法令上の順位と財産の適格性を確認する必要があります。

境界未確定・共有地・貸地など物納が難しい土地

相続した土地が物納に適しているかどうかは、土地の権利関係や管理状況によって変わります。

特に、国が取得した後に管理や処分を行ううえで支障がある土地は、物納が認められない可能性があります。

例えば、隣地との境界が明らかでない土地は注意が必要です。境界をめぐる問題が残っていると、管理処分不適格財産に該当する場合があります。

共有地も慎重な確認が必要です。共有者との権利関係や、物納しようとする持分の状況によって扱いが変わります。

また、第三者に貸している土地は、賃貸借契約の内容や賃料の状況などが問題になることがあります。

ただし、共有地や貸地であるという理由だけで、すべての土地が物納できなくなるわけではありません。

法令上、物納劣後財産として扱われる場合や、個別の条件を満たせば物納の対象となる場合もあります。

重要なのは、土地の現況を正確に把握することです。

登記簿上の情報だけでは、実際の境界や利用状況を十分に確認できないことがあります。必要に応じて、土地家屋調査士や司法書士などの専門家と連携して確認することになります。

物納する不動産の評価額と収納価額の決まり方

物納を検討する際に注意したいのが、国に納める財産の評価額です。

物納財産の収納価額は、原則として相続税の課税価格の計算の基礎となった価額によります。

そのため、不動産会社が提示する売却査定額と、物納に使われる収納価額が一致するとは限りません。

例えば、相続税評価額が1,000万円の土地について、市場では1,500万円で売却できる見込みがある場合、売却によって納税資金を確保する方が有利になる可能性があります。

一方、売却に時間がかかる土地や、売却費用を差し引いた手取り額が小さくなる土地では、物納を検討する余地があります。

なお、物納劣後財産などには、収納価額の算定に特別な取扱いが適用される場合があります。

そのため、相続税評価額がそのまま必ず収納価額になると考えるのは適切ではありません。

また、収納価額が物納許可額を超える場合には、超過部分の取扱いも確認する必要があります。

物納の損得を判断するには、相続税評価額だけでなく、実際の売却可能額や売却費用も把握することが重要です。

相続税の物納と延納・不動産売却の違いと選び方

物納と延納の違いと納税方法の選択順序

相続税の納税資金が不足している場合、まず検討したいのは延納です。

延納は、相続税を一定期間にわたって分割して金銭で納付する制度です。一方、物納は、一定の財産を国に納めることで相続税を納付する制度です。

延納では、財産を手放さずに納税できる可能性があります。ただし、原則として利子税が発生し、一定の場合には担保の提供も必要です。

物納では、許可された財産を国に納めるため、その財産の所有権を失います。

例えば、賃貸収入のある不動産を相続した場合、将来の収入によって延納が可能であれば、不動産を保有し続ける選択が考えられます。

一方、収入が少なく、延納によっても納税が困難な場合には、物納の要件を確認する必要があります。

また、延納の許可を受けた後に資力が変化した場合、一定の要件のもとで物納への変更が認められる「特定物納」という制度もあります。

通常の物納とは要件や期限が異なるため、延納中に納税が難しくなった場合は、早めに専門家へ確認することが大切です。

物納と不動産売却の損得を比較する判断基準

相続した土地を手放してもよい場合、物納と売却のどちらが有利かは、金額と手続きの両面から比較する必要があります。

特に重要なのは、物納した場合の収納価額と、不動産を売却した場合の手取り額です。

ここでは、制度の違いを理解するための仮定の例を考えてみましょう。

相続した土地の相続税評価額が1,000万円で、売却予定価格が1,500万円だったとします。

この土地を物納する場合、原則として相続税評価額を基礎とする収納価額で納税することになります。

一方、1,500万円で売却できれば、その売却代金を納税に充てることができます。ただし、仲介手数料や測量費などの売却費用、譲渡所得税・住民税が発生する場合があります。

仮に売却費用と税負担を差し引いた手取り額が1,200万円であれば、収納価額が1,000万円となる物納より、売却の方が金額面では有利です。

反対に、売却予定価格が相続税評価額を下回る場合や、売却費用が大きい場合には、物納を検討する余地があります。

ただし、売却できそうな土地であっても、物納の許可要件を満たすとは限りません。

また、売却価格は査定額どおりに決まるとは限らず、買主が見つかるまでの期間も考慮する必要があります。

物納と売却の比較では、査定価格ではなく、最終的に納税へ充てられる金額を確認することが重要です。

物納のメリット・デメリットと費用の確認事項

物納の大きなメリットは、一定の要件を満たせば、現金を用意せずに相続税を納付できることです。

不動産を売却する場合のように、買主を探して売買契約を結ぶ必要がない点も特徴です。

ただし、物納には審査があり、申請すれば必ず許可されるわけではありません。

また、物納する土地の状態によっては、境界確認や測量、権利関係の整理などが必要になります。

物納に関連して発生し得る費用には、次のようなものがあります。

  • 税理士報酬: 物納の可否判断、納税資金の検討、申請書類の作成支援などの依頼内容によって変わります。
  • 測量・境界確認費用: 土地の境界を明確にする必要がある場合に発生します。
  • 登記関係費用: 権利関係の整理などに伴って必要になる場合があります。
  • 土地の整備費用: 管理や処分に支障となる状態を改善するために必要となる場合があります。

これらの費用は、土地の面積や形状、権利関係、必要な作業によって異なります。

また、申請後の手続きや補正状況によっては、利子税の取扱いにも注意が必要です。

物納は現金を使わずに納税できる可能性がある一方、手続きのための現金支出がまったく不要になるわけではありません。

物納を選ぶ前に、財産の収納価額と必要な費用を整理し、売却や延納と比較することが大切です。

相続税の物納申請の期限と手続きの進め方

申請期限と必要書類の準備

相続税の物納申請は、原則として相続税の納期限までに行う必要があります。

通常、相続税の申告・納付期限は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

例えば、相続開始後に土地の評価や遺産分割の話し合いが長引いている場合でも、原則として申告・納付期限は変わりません。

物納を希望する場合は、期限までに物納申請書や金銭納付を困難とする理由書、物納財産に関する書類などを提出する必要があります。

不動産を物納する場合には、登記事項証明書、地積測量図、境界に関する資料など、土地の状況に応じた書類が必要になります。

書類の準備には時間がかかることがあります。特に、隣地所有者との境界確認が必要な場合は、短期間で完了できるとは限りません。

一定の要件を満たす場合には、物納手続関係書類の提出期限の延長が認められる制度があります。ただし、申請そのものの期限を自由に延ばせるわけではありません。

相続税の申告期限が近づいてから物納を検討し始めると、財産の確認や必要書類の準備が間に合わない可能性があります。

申請から審査・許可までの流れ

物納申請は、書類を提出した時点で納税が完了するわけではありません。

税務署は、申請内容や財産の状況を確認し、物納の許可要件を満たしているか審査します。

審査では、金銭納付が困難な事情に加え、物納財産の種類、権利関係、管理や処分への適合性などが確認されます。

不動産の場合、現地の状況について確認が行われることもあります。

審査の過程で書類の不備や財産の問題が見つかった場合には、補正や追加資料の提出が必要になることがあります。

物納の許可・却下は、原則として申請期限から3か月以内に行われますが、財産の状況などによって審査期間が延長される場合があります。

また、必要な補正や書類提出に対応できない場合、申請が却下される可能性もあります。

許可を受けた後も、国への財産の引渡しや所有権移転に関する手続きが必要です。

そのため、物納を検討する際は、申請書類を提出することだけを目標にせず、審査から収納までの流れを見据えて準備する必要があります。

物納が却下された場合の対応と納税上の注意点

物納申請が却下された場合には、原則として相続税を金銭で納付する必要があります。

このとき注意したいのが、納付期限と利子税などの負担です。

物納を申請している間、一定の条件で延滞税が課されない期間がありますが、利子税が発生する場合があります。申請の経緯や却下理由によって取扱いが変わるため、個別の確認が必要です。

また、物納財産が管理処分不適格財産に該当すると判断された場合などには、財産の変更を求められることがあります。

変更が可能な場合でも、代わりに物納できる財産がなければ、金銭納付の方法を検討しなければなりません。

物納が認められなかった後に不動産売却を進める場合、買主が見つかるまで時間がかかる可能性もあります。

したがって、物納申請を進める段階から、却下された場合の納税方法も考えておくことが重要です。

申請が認められることを前提に資金計画を立てるのではなく、延納や売却などの代替案を整理しておくと、判断しやすくなります。

木村会計事務所への相続税・物納に関する相談

納税方法を決める前に整理したい財産と資金状況

相続税の納税方法を検討するとき、私たち木村会計事務所が大切にしたいのは、目の前の税額だけでなく、相続後の生活や財産の状況も含めて考えることです。

相続税を納めるために土地を手放す場合、その土地が今後どのような役割を持つのかによって、判断は変わります。

例えば、利用予定のない土地と、家族が住み続ける自宅では、手放すことによる影響が異なります。

また、賃貸収入を生む不動産であれば、将来の収入を維持しながら延納を検討する選択もあります。

一方、維持管理に費用がかかる土地や、今後利用する予定がない土地については、売却や物納を含めて検討する余地があります。

大切なのは、物納を利用すること自体を目的にしないことです。

相続税の金額、保有する金融資産、不動産の評価額、売却可能性などを整理したうえで、どの方法が現実的かを考える必要があります。

木村会計事務所へのご相談では、相続税の申告に関する問題だけでなく、納税資金について不安に感じていることもお伝えください。

税理士と不動産関連の専門家に任せるべき範囲

相続税の物納には、税務だけでなく、不動産の権利関係や土地の管理状況に関する専門的な判断が必要になる場合があります。

税理士が中心となって検討するのは、相続税額の計算、財産評価、金銭納付困難額の算定、延納や物納の税務上の要件などです。

一方、土地の境界確認や測量が必要な場合には、土地家屋調査士の専門的な対応が必要になることがあります。

登記や権利関係の整理では、司法書士などへの相談が必要になる場合もあります。

また、不動産を売却した場合の価格を把握するには、不動産会社による査定が参考になります。

相続人自身で確認できるのは、預貯金の残高、保有不動産の所在地、登記関係資料、固定資産税の通知書、収入や支出の状況などです。

一方、金銭納付困難額の正確な算定や、物納財産の適格性、複雑な権利関係の判断は、専門家に確認した方がよい部分です。

特に、相続税の申告期限が近い場合は、必要な作業の優先順位を早めに整理することが重要です。

相談前に準備したい資料と確認事項

相続税の物納について相談する際は、現在の財産と納税資金の状況が分かる資料を用意すると、具体的な検討を進めやすくなります。

最初からすべての資料がそろっていなくても、把握できている情報を整理することから始められます。

相談前に確認しておきたい主な情報は、次のとおりです。

  • 相続の状況: 被相続人が亡くなった日、相続人の人数、遺産分割の進捗
  • 財産の内容: 預貯金、有価証券、土地、建物、その他の財産
  • 不動産の資料: 固定資産税の課税明細書、登記事項証明書、測量図など
  • 納税資金: 現在の預貯金、収入、支出、納税に充てられる金額
  • 納税期限: 相続税の申告期限、すでに申告している場合は申告内容
  • 希望する方法: 土地を残したいのか、売却や物納も検討しているのか

また、相談費用や物納申請に関する支援範囲は、依頼前に確認しておくことが大切です。

物納の検討には、相続税申告とは別に専門的な確認や書類の準備が必要になる場合があります。

木村会計事務所へお問い合わせの際は、物納を希望していることに加え、相続税の納期限や不動産の状況をお伝えください。具体的な申請支援の対応可否や費用についても、事前の確認が必要です。

相続税の物納に関するよくある質問

相続税

相続税を土地で払うことは誰でも可能?

相続税を土地で納めることは可能ですが、すべての相続人が利用できるわけではありません。

物納が認められるには、延納によっても金銭納付が困難であることや、土地が物納に適した財産であることなど、法令上の要件を満たす必要があります。

例えば、相続財産の大半が土地であっても、ほかに十分な金融資産がある場合は、物納が認められない可能性があります。

また、土地の境界や権利関係に問題がある場合には、整備が必要になったり、物納の対象にできなかったりすることもあります。

土地を相続したという事実だけで判断せず、納税能力と土地の状態を分けて確認することが重要です。

相続税の物納で譲渡所得税がかかるケース

相続税の物納では、原則として、物納による譲渡について譲渡所得税は課されません。

ただし、物納に充てた財産の価額が、納付すべき相続税額を超える場合などには、超過部分の取扱いに注意が必要です。

また、物納ではなく不動産を通常の売買によって売却した場合は、譲渡所得が発生すれば所得税や住民税の課税対象になります。

そのため、物納と売却を比較する際は、単純な売却価格だけでなく、取得費、譲渡費用、適用可能な特例などを確認する必要があります。

相続した不動産の売却では、一定の要件を満たす場合に相続税額の取得費加算の特例などを利用できることもあります。

どちらが有利かは個別の事情によって変わるため、税負担を含めた試算が必要です。

物納申請にかかる費用と税理士報酬の確認事項

物納申請にかかる費用は、物納する財産の種類や状態、専門家に依頼する範囲によって異なります。

特に不動産の場合、土地の測量や境界確認、権利関係の整理などが必要になると、税理士報酬とは別の費用が発生する可能性があります。

税理士への依頼では、物納の可否判断だけを依頼するのか、相続税申告や物納申請の支援まで依頼するのかによって、業務範囲が変わります。

見積もりを確認する際は、相続税申告の報酬と物納に関する報酬が分かれているか、追加資料への対応が含まれるか、ほかの専門家への費用が別途必要かを確認するとよいでしょう。

また、物納が許可されなかった場合の対応についても、依頼前に確認しておくことが大切です。

物納申請後に土地を売却する場合の注意点

物納申請を行った後でも、申請を取り下げて別の方法で納税することを検討できる場合があります。

ただし、申請後の手続き状況や、すでに受けている許可の内容によって対応が異なります。

物納の許可前に売却を検討する場合には、売却代金による金銭納付が可能になるか、申請の取下げが必要かなどを確認する必要があります。

また、売却契約を進めた結果、物納予定の財産を処分してしまうと、その財産を物納に充てることはできなくなります。

物納申請中に売却の話が進んだ場合は、税務署への手続きや納税期限への影響を確認したうえで判断することが重要です。

相続税の納期限が迫っている場合の相談方法

相続税の納期限が迫っている場合は、できるだけ早く税理士に相談し、現在の状況を整理することが重要です。

物納申請には期限があり、不動産の状況によっては必要書類の準備に時間がかかります。

特に、境界確認や権利関係の整理が必要な土地では、申請期限までにすべての準備を終えることが難しい場合があります。

相談時には、相続開始日、相続税の概算額、預貯金の状況、物納を希望する土地の所在地などを伝えると、検討を進めやすくなります。

なお、物納が難しい場合でも、延納や不動産売却など、ほかの納税方法を検討できる可能性があります。

納期限を過ぎてからでは選択肢が限られるため、物納を利用できるか分からない段階でも、早めに相談することが大切です。

相続税の物納で後悔しないための最終確認

相続税の物納は、納税資金が不足している方にとって重要な選択肢の一つです。

ただし、制度の要件を満たすことに加え、物納する財産の状態や、売却した場合の手取り額なども確認する必要があります。

物納を利用できるかどうかだけでなく、相続後の生活や財産の状況を踏まえて判断することが大切です。

相続税の物納を検討する方への12の確認ポイント

  • 相続税は、原則として金銭で一括納付する必要があります。
  • 一括納付が難しい場合は、まず延納の利用を検討します。
  • 物納は、延納によっても金銭納付が困難な場合に認められる制度です。
  • 物納できる金額は、原則として金銭納付が困難な金額の範囲内です。
  • 物納できる財産には、法律で定められた種類と優先順位があります。
  • 土地や建物であっても、すべての不動産が物納できるわけではありません。
  • 境界や権利関係に問題がある土地は、物納が難しくなる場合があります。
  • 物納財産の収納価額は、原則として相続税評価額を基礎に決まります。
  • 物納と売却を比較するときは、売却費用や税負担を差し引いた手取り額を確認します。
  • 物納申請は、原則として相続税の納期限までに行う必要があります。
  • 物納には審査があり、申請しても必ず許可されるわけではありません。
  • 納税資金や不動産の状態に不安がある場合は、早めに税理士へ相談することが大切です。

相続税の納税方法は、相続人ごとの財産状況や今後の生活によって適した選択が異なります。

木村会計事務所では、相続税に関するご相談を通じて、納税に関する不安や確認すべき事項を整理することを大切にしています。

「相続した土地を物納できるのか」「売却した方がよいのか」「納期限までに何をすればよいのか」とお悩みの方は、まずは現在の状況についてご相談ください。

物納申請そのものの対応範囲や費用については個別の確認が必要ですが、納税方法を検討するための第一歩として、財産や資金の状況を整理することが重要です。